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活 動 履 歴 2012年

 

 

第33回 月 例 会
日時:12月22日(土)15:00~
場所:明治大学駿河台校舎・リバティタワー10階1104教室
講師:時田昌瑞氏(本学会副会長)
テーマ:ことわざといろはカルタの現段階 ―主に三つの系統を巡って―

「いろはカルタの概要」「ことわざ史の中のいろはカルタの展開」という小見出しに基づいた報告がなされました。まとめとして示された「現在までの到達点」 の10項目、「いろはカルタの意義」の6項目は、カルタ研究の礎石となるべきものであり、カラーコピーによる代表例の配布と相まって、ことわざカルタの面 白さを存分に愉しむことができました。

 

第32回月例会
日 時:10月27日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・アカデミーコモン9階309J教室

 

講 師:福田雅人会員(市川市役所・総務部)
テーマ:「公共図書館におけることわざ、箴言、格言等に関するレファレンス事例について」
概 要:
「レファレンス」とは、「参考業務」ともいい、資料や情報を求める図書館利用者に対して主に文献の調査・紹介・回答などを行うサービスのことで、図書館資料の貸出し業務と並んで図書館サービスの基幹業務に位置付けられているものです。

公共図書館に一般利用者から寄せられるレファレンスの内容は多岐に亘りますが、発表者が昨年度までレファレンス業務に従事していた市川市中 央図書館(千葉県)が保有するレファレンス事例集から、特に「ことわざ」に関連する事例をいくつかあげて、一般利用者の「ことわざ」に関する質問内容と、 図書館司書による回答のプロセスについて紹介したいと思います。

 

第31回月例会
日 時:9月21日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー13階1135教室
講 師:松浦芳枝氏(明治大学法学部兼任講師)
テーマ:「メキシコの諺(ガストロノミー)から見たメキシコ人~テキーラ、タコスなどが語るメキシコの素顔~」

 

概 要:メキシコが原産地に含まれ、なおかつメキシコ人とメキシコの社会にとって密接不可分な竜舌蘭(テキーラの原料)、とうもろこし(タコスの原料)を盛り込んだ諺は、スペイン語圏全体を見渡してもユニークさを誇ります。
それらを紹介しながら、メキシコ人のメンタリティーの底流をなしている部分を取り上げてみたいと思います。

 

ことわざリレー展覧会 (9月11日-11月30日)

 

  ことわざリレー

 

  奥野カルタ

 

  木彫りと切り絵

 

  会場案内

 

* 8月の月例会はお休みです。

 

第30回月例会
日 時:7月14日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー8階1084教室
講 師:岩崎均史氏(たばこと塩の博物館主席学芸員、学習院・成城大学・
       國學院大学大学院非常勤講師、東京国立博物館特別研究員)
テーマ:「描かれたことわざ 〜ことば遊びの絵画化〜」
概 要:
今回は、「ことわざ」を絵画化した作品を紹介するが、いずれも江戸後期の戯作精神の発露によるものに関して行われた実例を例示する。
これらは、水墨画などに描かれた「猿猴捉月(分不相応・身の程知らずの意)図」などのような高尚な精神世界を背景に誕生した作品ではなく、戯作というフィ ルターを通して、絵画ではあるが、ことば遊びを加えたものを取り上げる。本来は、人生の教訓や指針となるべきことわざが、いかにことば遊びの対象となり、 江戸の人々を楽しませたのかを紹介する。
例示は、ことわざを素材とした「判じ物・判じ絵」「滑稽図案」「直接的読み替えの図像化」の三点で、いずれも一品制作の肉筆ではなく、版行(出版)された もののみである。つまり、大量に制作され、頒布されたものであり、売れる見込みがなければ、商品として世に登場しなかったものでもある。「ご存知の〇〇」 であるからこそ、その変容が、笑いの対象になったにほかならない。

 

第29回月例会
日 時:6月30日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー12階1124教室
講 師:川島洋会員(大月短期大学兼任講師、ESPミュージカルアカデミー講師)
テーマ:「ことわざ社会心理学の視点で―「福祉川柳」をどう読むか―」
概 要:
今回の例会では、「ことわざ」をより広い意味で捉え、ことわざ社会心理学の視点から、現代における社会問題や人々の行動に着目してみたいと思います。
今回、参考にする資料は、福祉事務所で生活保護を担当するケースワーカーが組織する「公的扶助研究全国連絡会」の機関誌、「公的扶助研究」(1993年6月)に掲載された「福祉川柳」です。
そこにはケースワーカーの日頃の心情や不平不満などが赤裸々につづられています。
これをことわざ社会心理学的視点ではどう読みとるのか、その一例を紹介すると共に、現代の日本において社会問題にもなっている生活保護の問題について、参加された皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
 かつて差別発言として社会問題化した福祉川柳について、極力中立的な立場から分析がなされ、言葉は諸刃の刃ともなりうることが具体例とともに示されました。

 

第28回月例会
日 時:5月18日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー8階1084教室
講 師:小森英明会員(日本ことわざ文化学会理事)
テーマ:「煩悩カルタとことわざ」
概 要:
2500年の歴史を有する仏教は、その黎明期より人間の‘負’の部分でもある<煩悩>を注視し続けてきた。
しかしながら、現代的な日常生活に即した解釈とその援用は未だ確立されているとは言えず、それらは今後の課題と目されている。
そこで本発表を試論として位置付け、雪山隆弘氏の労作『煩悩カルタ・本願カルタ』を手がかりとして、仏教の説く<煩悩>論と、一方で日常生活に根差した<ことわざ>とが通底する可能性を探りつつ、その現代的意義を見出したいと私は考えている。
仏教的観点も<ことわざ>も、共に自分の心の底の底を見据えること、自分が自分に対して隠している、ある重大な感情に気付くことに対する勇気を我々に与えてくれる。
本発表がこうした内省への縁(よすが)ともなれば幸いである。

 

第27回月例会
日 時:
4月27日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー1075教室
講 師:西岡亜紀氏(東京経済大学特任講師)
テーマ:「折口信夫とことわざ研究」
概 要:折口信夫(1887~1953)は、詩人・歌人であるとともに国文学と民俗学との融合を模索した学者でもあった。詩人・歌人としての折口や民俗学者としての折口については比較的多くの言及があるが、それらに比べると、 国文学者としての折口の解明は、あまり多いとは言えない。
本発表では、国文学者折口を解明する一つの視座として、そのことわざ(諺)研究に着目してみる。「歌の話」(1930)「日本文学の発生」(1932)他、
多くの文芸論で折口が繰り返し主張する、ことわざ(諺)を「うた」とともに
古代の詞章に起源を持つものとして、文学の発生に立ち会うものと見る詩的な 解釈について、折口のテキストをもとに分析・考察する。そして、そういった 国文学者折口信夫のことわざ研究を、折口自身の作品との関係や後進に与えた 影響などにも目配りしながら、実作者ならではの個性的な解釈として位置づけてみたい。

 

第26回月例会
日 時:3月17日(土)15時より

会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー12階1124教室
講 師:松村恒氏(大妻女子大学教授)
テーマ:「ことわざ研究の理論と実際――二極の狭間で――」
概 要:諺研究には多様な側面がある。本発表は一個の主題に焦点を当てた深い研究ではなく、自己紹介も兼ね、あれこれと表面を浅く撫でるに過ぎないが、逆に列席者の方と共感し合える部門も登場するかもしれないということを願う。まずは<理論>と<実際>に大きく二分する。
前者に関わることでは、諺とは何かを認知言語学のプロトタイプの概念を援用して規定の方向を模索する。次にフィンランドの学者のことわざ国際タイプ目録と ハンガリーの学者の「ヨーロッパ共通諺」を紹介し、諺の普遍性への方向を見据える。その中で諺原文主義を基調とする国際間の研究協力への呼び掛け案を再呈 示する。
後者については発表者の関心が向く事項を列挙したい。諺原文集の編纂、漢文成句から日本語諺へ到る過程での唐話の役割、未翻刻資料の処理、非印欧語の諺の扱い、等々である。

 

第25回月例会
日 時:2月24日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー9階1095教室
講 師:山岡歳雄会員(にほんそうけんコンサルタント代表)
テーマ:「効果的な「ことわざ」活用による経営マネジメント
     <顧客満足のために>―源流は人財育成―」
概 要: 品質マネジメントシステム及び環境マネジメントシステムの認証登録組織に、主任審査員として審査に携わっている。そこで気付くことに、 意味が不明瞭で饒舌な文章が多いということがある。
QMS/EMS等のマニュアルや下位文書のほか、各種様式、理念・方針・目 的・目標等においても、明快な短文による運用手法が求められる。
そのためには、まず働く人を「人材」ではなく、財産としての「人財」として認識することが必要である。
このような観点から、血の通った思想を明瞭に表現した「ことわざ」による
人財育成法を、工学系の私なりに提言し、各位のご意見を拝聴したく考えている。

 

第24回月例会
日 時:2012年1月20日(金)18時より

会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー12階1124教室
講 師:小川康氏(チベット医・薬剤師)
テーマ:「ことわざから探るチベット文化」
概 要 : チベット人は諺が大好きで、ダライラマ法王も説法の中でよく用
いています。経典や詩が暗唱できることを美徳とする社会において、諺の
暗唱は教養の顕れとして敬意を表してもらえるのです。
そして私は外国人として初めてのアムチ(チベット医)だったからこそ、積
極的に諺を診察の際に用いて、チベット社会からの信頼を得るように心が
けました。神秘・秘境という冠詞とともに紹介されることが多いチベットです
が、10年間に及ぶチベット社会での実体験と諺を踏まえながら、人間味あ
ふれるチベット文化を御紹介します。

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