活 動 履 歴 2013年

 

第42回月例会「文殊の知恵」のご案内

 

日 時:10月26日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー8階1084教室
講 師:萩原芳子氏(明治大学)
テーマ:西洋の雄弁術と格言・ことわざ
概 要:古代ギリシャやローマの伝統を引き継ぐ西洋、とくにフランスでは、ことわざは隣接関係あるいは内包関係にある格言、 名句、箴言、俗諺、警句などともに豊かな「エスプリ」の文化を形成し、文学にさまざまなかたちで取り入れられ、発展してきました。
発表では、古代の雄弁術に発し、19世紀末頃まで西洋の弁論と教育の根幹をなしたレトリックの体系における格言(ギリシャ語paroimia, ラテン語sententia, rhetorical proverbs)の役割に遡り、そこから派生する格言・ことわざ収集の慣行を検討していきます。また、エラスムスの『古典名句集』を例に、現代も使われ ることわざ、議論の出発点やモデルとなる格言を検討し、さらにこうした名句を多用した雄弁術をめぐる論争にも触れたいと考えています。
この西洋的格言やことわざの応用について、どのような位置づけができるのか、上記のさまざまな形の句の区別を含めて、展望を探っていきたいと思います。

 

第41回月例会


日 時:9月28日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー7階1075教室
講 師:立柳聡氏(福島県立医科大学)
テーマ:福島県立医科大学看護学部学生気質―ことわざ創りによる10年の調査から―
概 要:本学は、1998年に開設された。看護職を目指す新設学部の学生たちが、日々の学びや生活の中で、どんな特色を伴った価値観や認識、慣行などを築 いていくのか、興味深いことと思い、それを考察するデータを蓄積しておきたいと考えた。また、80年代の終わり頃から、次第に子ども・若者の個人主義的な 思考や行動、伝統的な規範に疎い実態が注目されるようになってきていたと記憶するが、本学の学生の育ちの特色を把握することは、教育上とても重要と確信さ れた。本発表は、こうした問題意識に基づいて、筆者が10年来続けた福島県立医科大学看護学部学生によることわざ創りの調査のデータを踏まえ、その学生気 質の特色や変遷を考察するものである。

 

第40回月例会


日 時:7月20日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー7階1075教室
講 師:中尾暢見氏(専修大学)
テーマ:生活の科学、生活の知恵としての「事の業(技)」(ことわざ)から見える家族像

概 要: 私の専門は家族社会学です。今までは家族を軸にした人間関係の側面から社会事象を研究しており、時代や場所で異なる生活や価値観を浮き彫りにしてきました。
一方、ことわざは、伝承を重ねた生活の科学であると共に生活の知恵でもあります。
本報告で私は、社会学の視角から「事の業(技)」という側面に着目して、家族を対象とした事の業データ分析の結果を提示致します。
具体的には、『故事俗信ことわざ大辞典【第2版】』(北村孝一監修、1982/2012小学館)の家族に関連したことわざをデータベース化して内容分析および計量分析を行いました。
その結果、先達が家族のどのような側面に価値観を置いていたのか、加えて今日との異同を浮き彫りにすることが出来ました。
今回は、研究途上にある事の業データ分析を家族の変化と共にご報告させて頂きます。
ことわざを楽しみ、熟達されている参加者の皆さまのご意見を糧として、ことわざ研究を展開して参ります。

 

第39回月例会


日 時:6月21日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー10階1104教室
講 師:池田紅玉(和子)氏(青山学院大学・日本大学他の英文科講師)
テーマ:英語教育に「バイリンガルことわざ」を取り入れた実践例のご紹介-小学校、大学、生涯学習センターの場で-
概 要: 発表者は長年「バイリンガルことわざ」として、小学校、大学、生涯学習センターの場で日本語と英語で「ことわざ」を同時に唱える教授法を実践しています。 この活動で学習者がいかに生き生きと楽しそうに「ことわざ」を学んでいるかを、授業風景のビデオもお見せしながらご紹介したいと思います。当日は、参加者 全員で「バイリンガルことわざ」を音読・朗読し、 また発表者が作っている「バイリンガルことわざ検定試験」の部にも挑戦していただければと思っています。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

 

第38回月例会


日 時:5月31日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー10階1104教室
講 師:山田厳子氏(弘前大学)
テーマ:ことわざの「動き」を捉える―「新語」の発想から― 概 要:口承文芸の調査をしていると、事実をもとにした話でも、何度もくりかえし話される話は「これはタトエだから」「タトエバナシになっているから」と 説明されることがある。タトエはまた、ことわざを示す民俗語彙でもある。長崎県黒島では、ことわざを指す民俗語彙はムカシバナシであった。
このようなことから、私たち一度、「ことわざ」というものを括弧に括って、実際に談話の中で「効力のあることば」がどのように生まれ、流通しているのかを吟味する必要がある。
出発点は、1932年の柳田國男の「口承文芸大意」に置きたい。「元来コトワザという語は、言語の技術、即ち言葉の活用の全体を包括すべきものであった。 それを其の一部の最も不変にして、寧ろやや古臭いのを特徴とするものに、限定しようとしたのが誤解のもとであった。」このことばから、談話の場にあるもの を捉え返してみたい。

 

第37回月例会


日 時:4月27日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー7階1075教室
講 師:立花弥生氏日本宗教学会員)
テーマ:「三人寄れば文殊の知恵」と高僧・忍性の活動―鎌倉長谷寺出土遺物を中心に―
概 要:日本ことわざ文化学会月例会の名称でもある「文殊の知恵」、大変奥深い知恵かと推察しますが、 これを生涯を通じて実践した鎌倉時代の高僧がいました。彼の名を忍性といいます。
残念ながら日本史の教科書にはごくわずかな言及にとどまっていますが、彼こそ、 ことわざ「三人寄れば文殊の知恵」を身をもって実践した聖僧といえるでしょう。
そもそも「文殊菩薩の知恵」とは仏教全体のなかでも最上位に近いほど高い位置づけですので、その実践者・忍性の活動も戒律復興の他、日中文化交流から貧民救済や土木事業におよぶまで多岐にわたります。
その中でも今回は忍性との関わりから、鎌倉長谷寺出土遺物の墨書骨片(火葬した骨片に墨で梵字をしたためたもの)をとりあげて、彼の画期的な活動についていささかなりともお話させていただければと思います。

 

第36回月例会


日 時:3月30日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー8階1084教室
講 師:石川雅信氏(明治大学政治経済学部教授)
テーマ:新しいライフスタイルと「ことわざ候補」
概 要:「ことわざ候補」というのは,ことわざとして一般に認知されているわけではないが,
ものごとの本質を簡潔なことばでとらえた言いまわしを指します.将来,ことわざとして定着するかもしれないという期待を込めて「ことわざ候補」としました.
そこには既成のことわざにはない新しい考え方や価値観が示されていることが考えられます.それは文章の表題や見出し語であったり,標語の形をとったり,商品のキャッチコピーのようなものであるかもしれません。
大宅壮一は多くの名言を残したことで知られますが,彼のことばに「美しく死ぬことよりも美しく老いることがむずかしい」というのがあります.
これなどは昭和の「ことわざ候補」の典型と言えましょう.今回の発表では現代の家族とライフスタイルに関するいくつかの「ことわざ候補」をとりあげて,そ の社会的機能について考えてみたいと思います.老後の夫婦のあり方や介護という切実な問題、そしてそもそも「家族とは何か」といった概念論的なお話まで、 参加者の全員が実生活と重ね合わせながら深く考えさせられる時間となりました。

 

第35回月例会


日 時:2月23日(土)15時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー10階1104教室
講 師:藤井渉氏(本学会会員)
テーマ:「ことわざに見る農的生活」
概 要:ことわざは人間生活の経験により生まれたもので,長い歳月に渡って人から人へと伝わって来た言葉であり,
長い間の実証により淘汰を経て今に伝わるものが多い.その生まれくる背景は広範囲に及ぶが,本報告では,
少しばかりの私の農的生活と重ね合わせ,「1)作業に関わることわざ」と「2)作物に関わることわざ」に分類して検証する.

 

第34回月例会


日 時:1月25日(金)18時より
会 場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー14階1144教室
講 師:浅賀宏昭氏(明治大学商学部教授)
テーマ:「生命科学・バイオテクノロジーの教材としてのことわざ
       -ことわざの科学的エビデンスと創作ことわざ―」
概 要:ことわざは自然に淘汰されていく。この原理の一つは、人々の経験に照合され、合致したものが語り継がれやすいことにある。これは意義あることだ が、経験だけでは、その内容の検討が十分にできないこともある。それ故、様々な分野の科学者や医師がことわざを科学的に検証し、解説してきたが、決して十 分とは言い難い。
また、私の専門とする生命科学やバイオテクノロジーの分野は、医学や生物学と重複する内容を含みつつも異なる視点を持っているが、この分野の専門家はこと わざの科学的検証をほとんどしてこなかった。そこで、今回、現在も語られることが多いことわざのうち、科学的なエビデンスが得られてきているものや、生命 科学やバイオテクノロジーの視点から別の解釈もできるものを紹介する。
また、私がゼミの学生らと共に創作していることわざについても幾つか披露させていただき、諸先生方のご意見ご批判を頂戴して、大学における今後の教育研究活動に活かしたいと考えている。

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